デミタスカップの愉しみ
本展ではデミタスカップ・コレクター村上和美のコレクションから精選したデミタスの逸品約380点を紹介します。16世紀から17世紀にかけて東洋から西洋にもたらされた喫茶の習慣と上質な陶磁器は、その後のテーブルウェアの成立や、装飾芸術の発展に貢献しました。江戸初期の伊万里焼や柿右衛門など日本の磁器も、優れた色絵の技術や異国的な文様で人気を博しています。そして東洋陶磁器に魅せられた王族や大貴族がそれらに匹敵する磁器生産の試みを後押ししていきました。 ヨーロッパのテーブルウェアの様式は19世紀に確立しますが、そのなかで異色な存在として現れたのが、濃いコーヒーを飲むための小さなコーヒーカップ、デミタス(Demitasse)でした。中産階級が台頭したヨーロッパではコーヒー文化が浸透するとともにデミタスも広まっていったのです。 19世紀の半ば以降には、日本的なモチーフや構図を発展させたジャポニスム様式が異彩を放ち、欧州の名窯がその国ならではの特徴あるデザインを提示し、さらに世紀末にはジャポニスムの影響を受けたアール・ヌーヴォー様式が発展、そして1920年代からはアール・デコ様式のデミタスが登場します。また日本がヨーロッパ向けに生産した作品も加わります。 生活の場面を彩り、時代の感性を映し出すデザインの変遷を味わいつつ、掌に載るサイズに大胆な、また繊細華麗な技巧を凝縮したアンティーク・デミタスの豊かな世界をお楽しみください。
- 会期
- 2021年4月17日(土)から6月13日(日)
注:新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策のため、5月16日(日)から6月13日(日)まで臨時休館
注:会期延長:6月15日(火)から27日(日)
午前9時30分から午後5時(ただし入館は午後4時30分まで) - 休館日
- 月曜日
- 会場
- 群馬県立近代美術館 展示室 1
- 観覧料
- 一般:900(720)円、大高生:450(360)円
注:かっこ内は20名以上の団体割引料金
注:中学生以下、障害者手帳等をお持ちの方とその介護者1名は無料
注:この料金で同時開催「絵画のミカタ」もご覧いただけます。 - 主催
- 群馬県立近代美術館
- 主催
- 群馬県立近代美術館、読売新聞社、美術館連絡協議会
- 協賛
- ライオン、DNP 大日本印刷、損保ジャパン、日本テレビ放送網
- 特別協力
- リボリアンティークス、ロムドシン
- 監修
- 岡部昌幸(当館特別館長・帝京大学教授)
- 関連事業
- 記念講演会
「デミタスは世界をめぐる-その誕生、産業、技巧、収集、美」
講 師:岡部昌幸(本展監修者・当館特別館長・帝京大学教授)
5月16日(日)14時から15時30分
会場 : 2階講堂
定員 : 70 名
注:要申込・参加無料
注:新型コロナウイルス感染症拡大防止対策のため、開催中止となりました。
ワークショップ
「大きなデミタスカップ(?)に描こう!」本展に合わせて制作し、その成果を美術館のホールにてお披露目します。
学芸員による作品解説会
開催日時:4月24日(土)、6月23日(水):各日とも14時から15時
注:5月19日(水)は開催中止
会場:2階講堂
定員 : 70名
注:申込不要、要観覧料