20世紀イタリアの巨匠 マリノ・マリーニ 新収蔵の版画作品を中心に
イタリア中部の古都ピストイアに生まれたマリノ・マリーニ(Marino Marini、1901-1980)は、古代ローマ以前に栄えたエトルリア文明が生み出した素朴で力強い造形に大きな影響を受けました。豊かな自然の恵みを女性像に表した「ポモナ」の連作や、人類の悲劇的な姿の象徴として暴れる馬に振り落とされそうになる騎手をかたどったシリーズなどにより、20世紀を代表する彫刻家の一人として評価されています。一方でマリー二はまず画家として出発し、彫刻が評価されるようになってからも絵画、そして版画の制作を生涯続けました。
当館では令和6年度、群馬県伊勢崎市出身の個人コレクターから、マリーニの版画146点、挿絵本1点、テンペラ画1点、彫刻2点、合計150点の作品を一括してご寄贈いただきました。新たに収蔵されたこのコレクションの全貌を紹介する初めての機会となる本展では、最初期の繊細な銅版画から晩年の色鮮やかなリトグラフまで各年代にわたる充実した版画コレクションを中心に、絵画と彫刻を加え、およそ150点の作品を一堂に展示します。平面と立体を縦横に行き来しながら多彩に展開したマリーニ作品の豊かな世界を、どうぞお楽しみください。
《夏》1920-21年頃 エッチング
《ポモナのための習作》1944年 リトグラフ
《小さな奇跡》1951年 ブロンズ
《色彩から形へⅠ》1969年 リトグラフ
《奇跡》1970年 エッチング
《「春の祭典」の登場人物たち VIII》1974年 リトグラフ
《軽業師と馬》1977年 エッチング、アクアチント
《マリノーゲーテよりⅠ》1979年 エッチング、アクアチント
© SIAE, Roma & JASPAR, Tokyo, 2025 B0860
- 展示名
- 企画展示「20世紀イタリアの巨匠 マリノ・マリーニ 新収蔵の版画作品を中心に」
- 会期
- 2025年4月19日(土)から6月8日(日)
- 開館時間
- 午前9時30分から午後5時(入館は午後4時30分まで)
- 休館日
- 月曜日(5月5日は開館)、5月7日(水)
- 会場
- 展示室1
- 観覧料
- 一般600円、大高生300円
20名以上の団体割引料金 団体一般480円、団体大高生240円
注:中学生以下、障害者手帳等をお持ちの方とその介護者1名は無料 - 関連事業
- 記念講演会「イタリア美術史のなかのマリノ・マリーニ」(仮)
講師:金井直氏(信州大学人文学部教授)
5月17日(土)午後2時から3時30分
当館2階講堂 定員100名(先着順)[要観覧券・申込不要]
学芸員による作品解説会
4月26日(土)、5月29日(木)各日午後2時から3時
展示室内[要観覧券・申込不要]