展示詳細

旅と画家 -近現代日本画家のみたもの-

一歩ふみだせば旅がはじまるとして、旅とかかわった画家は多いことでしょう。
この展覧会では、近代以降の日本画家の旅に注目し、その旅のあり方に応じて「文人の旅」、「近代日本画家たちの旅と遊学」、「自己の芸術と旅」の3章に分け、19人の旅と芸術を紹介します。
文人の旅は「萬巻の書を読み萬里の路を行く」という理想にもとづいた、人格を磨く手段の一つでした。その理想を実践した富岡鉄斎の描く山水には、旅をすることで蓄積された自然への理解と感動があらわれます。日本画で何をいかに描けばよいのか。この問いに真剣にのぞんだ近代日本画家に、答えをつむぎ出すきっかけを与えたのは、異国の風土や表現との出会いをもたらした、アジアやヨーロッパへの旅でした。
そして現代、自らの旅を旅の俳人松尾芭蕉に重ねた小野竹喬、奄美の自然に生涯を託した田中一村、あるいは旅によってほかに替えられないテーマを見出した小松均は、自己の芸術の深化のために、自分のやりかたで旅と深くかかわったといえるでしょう。
本展覧会は、旅と画家との多様なかかわりから生み出され、今なお尽きせぬ魅力をたたえた作品を紹介し、近代日本画の形成と革新に旅がいかに寄与したかをうかがおうとするものです。

会期
2003年9月27日(土)から11月3日(月・祝)
午前9時30分から午後5時(ただし入館は午後4時30分まで)
休館日
毎月曜日(10月13日を除く)、10月14日(火)
会場
群馬県立近代美術館 展示室2・6・7
観覧料
一般:800(640)円、大高生:400(320)円 
注:かっこ内は20名以上の団体割引料金
注:中学生以下、障害者手帳等をお持ちの方とその介護者1名は無料
関連事業
記念講演会
学芸員による作品解説会
教職員のための作品解説会