特別展示:長谷川潔 銅版画の世界-自然をみつめるまなざし
長谷川潔(1891-1980)は、20世紀の版画史にその名を刻む銅版画家です。青年時代を大正期に過ごし、日本の創作版画の草創を担った長谷川は、1918年に銅版画技法習得のためフランスへと渡り、以後帰国することなく、さまざまな銅版画の技法で制作をつづけました。とりわけ、19 世紀の写真の登場以降廃れていた銅版画技法マニエール・ノワール(メゾチント)を再興した功績は大きなもので、その静謐で深遠な作品は国際的に高く評価されています。
このたび当館に、鉛筆デッサンや制作段階の試し刷り、渡仏前の木版画など貴重な作品を含む長谷川潔の作品群が一括して寄託されました。この優れた個人コレクションの全貌をご覧いただく初めての機会となる本展では、当館所蔵作品を加えた115 点を5 章に分け、その画業の展開をたどります。自然の神秘をみつめる精緻な観察眼と研ぎ澄まされた描写力が結実した長谷川潔の銅版画世界を、どうぞお楽しみください。
1《海岸の帆船(小笠原島)》1916年 板目木版
2《アルルのはね橋》1923年 エッチング
3《ヴォルクス風景》1935年 ドライポイント
4《一樹(ニレの木)》1941年 ドライポイント
5《花(切子ガラスに挿したアネモネと草花)》1944-45年 アクアチント
6《コップに挿した枯れた野花》1950年 エングレーヴィング
7《小鳥と胡蝶》1961年 メゾチント
8《アカリョムの前の草花》 1969年 メゾチント
- 会期
- 2024年3月2日(土)から4月7日(日)
- 開館時間
- 午前9時30分から午後5時(入館は午後4時30分まで)
- 休館日
- 毎週月曜日
- 会場
- 展示室1
- 観覧料
- 一般300円、大高生150円
20名以上の団体割引料金 団体一般240円、団体大高生120円
注:中学生以下、障害者手帳等をお持ちの方とその介護者1名は無料
注:コレクション展示(2階展示室)は改修工事のためご覧いただけません - 主催
- 群馬県立近代美術館
- 関連事業
- 記念講演会1「長谷川潔の芸術―日本とフランスの間で」
講師:猿渡紀代子氏(美術史家・元横浜美術館学芸員)
3月3日(日)午後2時から3時30分 2階講堂 定員100名[申込不要、参加無料]
記念講演会2「神秘と神智の謎と芸術―長谷川潔のいる位置と世界」
講師:岡部昌幸(当館特別館長・帝京大学名誉教授)
3月23日(土)午後2時から3時30分 2階講堂 定員100名[申込不要、参加無料]
学芸員による作品解説会
3月16日(土)、3月27日(水)午後2時から3時 2階講堂 定員100名[申込不要、参加無料]