コレクション展示:染めと織り―着物の美―
今回は当館のコレクションより、6人の人間国宝による染織作品をご紹介します。芹沢銈介(せりざわ けいすけ、1895-1984)は伝統的な中形や小紋などの型染や琉球の紅型(びんがた)を研究して、型絵染と呼ばれる独自の技法を創始、型紙の効果を発揮した絵や文字で、明解かつ温和に表現しました。森口邦彦(もりぐち くにひこ、1941-)はパリで学んだグラフィック・デザインと幾何学文様を大胆に組み合わせ、伝統工芸の友禅に留まらない新しい可能性を見出しました。小宮康正(こみや やすまさ、1956-)は型紙や糊など材料の研究、両面染や長板中形などさらに技術を磨き、芸術性の高い作品を制作しています。志村ふくみ(しむら ふくみ、1924-)は様々な植物で糸を染め織り上げた紬織(つむぎおり)で、自然の命を映した繊細かつ洗練された美の世界を創造し、農村の手仕事であった紬織を芸術へと昇華させました。佐々木苑子(ささき そのこ、1939-)は身近な鳥や植物を、植物染料で染めた紬糸による絵絣で華麗に表しました。北村武資(きたむら たけし、1935-2022)は古代裂(こだいぎれ)の復元研究で知られた初代・龍村平藏(たつむら へいぞう)の作品に感銘を受けて、各種技法の復元研究に努め、織物の仕組みや構造に深い関心を寄せながら、復元に留まらない新たな表現を作り上げました。それぞれの卓越した技と表現をおたのしみください。
コレクション展示作品目録(展示室7)(PDF159KB)
- 会期
- 2022年11月1日(火)から12月21日(水)
- 開館時間
- 午前9時30分から午後5時(入館は午後4時30分まで)
- 休館日
- 月曜日(11月28日、12月12日、12月19日は開館)、11月14日(月)から24日(木)、12月5日(月)から10日(土)、12月16日(金)
- 会場
- 展示室7
- 観覧料
- コレクション展示のみ
一般300円、大高生150円
20名以上の団体割引料金 団体一般240円、団体大高生120円
注:中学生以下、障害者手帳等をお持ちの方とその介護者1名は無料