特別展示 戸方庵井上コレクションを愉しむ
生涯を通じて群馬県の文化振興に大きく貢献された井上房一郎氏(1898-1993)は、美術館での公開を念頭に幅広く作品を収集し、1974(昭和49)年の当館開館に際して、国の重要文化財2点を含む約200点の古美術品を寄贈されました。このコレクションは、氏の号である「戸方庵」にちなんで「戸方庵井上コレクション」と名づけられ、所蔵品の重要な柱のひとつとなりました。
その後も寄贈が重ねられ、総じて229点となった作品群は、南宋から清時代にかけての中国絵画にはじまり、室町水墨画、江戸時代の琳派、狩野派、写生派の作品、さらに肉筆浮世絵、文人画、墨蹟などを含む充実したコレクションを形成しています。いずれの作品も井上氏の高い見識と審美眼により選び出された優品です。
12年ぶりの全容公開となる本展は、群馬県立女子大学芸術学研究室との共同企画・展示により、主要作品約60点を展覧し、コレクションの新たな魅力に迫るもので、名品選に加えて、会場内に8つのコーナーを設け、同研究室の榊原教授と学生たちによる作品研究の成果を発表します。これまでにない自由な視点で作品の面白さを引き出す、意欲的な試みとなるでしょう。この機会に、戸方庵井上コレクションの多彩な世界をご堪能ください。
- 会期
- 2003年11月15日(土)から12月14日(日)
午前9時30分から午後5時(ただし入館は午後4時30分まで) - 休館日
- 毎月曜日(11月24日を除く)、11月25日(火)
- 会場
- 群馬県立近代美術館 展示室2・6・7
- 観覧料
- 一般:300(240)円、大高生:150(120)円
注:かっこ内は20名以上の団体割引料金
注:中学生以下、障害者手帳等をお持ちの方とその介護者1名は無料 - 主催
- 群馬県立近代美術館
- 協力
- 群馬県立女子大学
- 後援
- 上毛新聞社
- 関連事業
- 記念講演会
群馬県立女子大学芸術学研究室による作品解説会