展示詳細

コレクション展示:ファイバーワークの世界

 今回は当館のコレクションより、糸や布を使った染織作品と立体的なファイバーワークをご紹介します。染織は有史以来の技術ですが、20世紀になって美術作品の素材として新しい表現の手段となりました。タピスリーの歴史は古く、ヨーロッパでは中世より大型の壁面装飾として豪華なタピスリーが作られ、ラファエロやゴヤなどの王侯貴族のもとで活躍した画家にとってタピスリーの下絵を描くことは重要な仕事でした。19世紀には機械織りが主流になりますが、20世紀美術において、ピカソやミロが手織りのタピスリーの伝統に注目し、抽象性の高い表現と豊かな色や素材を組み合わせて新しいタピスリーを作り出しています。また、現代の美術における新しい素材への取り組みから「ファイバーワーク」と分類させる美術作品も生み出されました。これらは織物を立体的に造形することで、木や金属やガラス素材とする堅い立体作品に比べて、全く異なる自由な形や量感や風合いを生み出しています。糸を紡ぎ、色を染め、機にかける、あるいは絡み合わせるなどして布に織り、あるいは原毛や糸の状態を活かして縫い合わせていくことは、古くて新しい表現の手段なのです。私たちの身近にある繊維がさまざまな形や色の世界に変幻するさまをお楽しみください。

コレクション展示作品目録(展示7)(PDF168KB)

会期
2023年7月8日(土)から8月27日(日)
開館時間
午前9時30分から午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日
月曜日(7月17日、8月14日は開館)、7月18日(火)
会場
展示室7
観覧料
コレクション展示のみ
一般300円、大高生150円
20名以上の団体割引料金 団体一般240円、団体大高生120円
注:中学生以下、障害者手帳等をお持ちの方とその介護者1名は無料