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本県ゆかりの作家たち


湯浅一郎  YUASA Ichirō,1868-1931
湯浅一郎《画室》
《画室》
Studio

1901-03(明治34-36)
油彩・カンヴァス
159.5×106.5cm
湯浅ゆくゑ氏・湯浅太助氏寄贈

 アトリエの中のモデルを描いた本作品は、石井柏亭の記すところによると、 黒田清輝率いる白馬会の展覧会に出品された後、1903年の大阪の内国勧業博覧会に出品され、その際、 黒田の助言に従って現在あるように上半身に衣服が描き加えられたと言う。 加筆される前の作品と上半身裸のモデルを一緒におさめた当時の写真も残っており、この作品の意図や裸体画問題、黒田の作品ではないかと指摘される右上の画中画などをめぐって議論されることの多い作品である。
 制作年については、最初に発表されたのが1901年の第6回白馬会展であることが近年の研究で明らかになり、1901-03年とすべきであろう。 画面左下には、加筆した年である1903年の記入があり、湯浅のモノグラムである、「卍」の逆向きの記号が付される。他の作品では正しい向きの「卍」も使われており、 その使い分けについては今後の研究課題である。なお「卍」は湯浅家の家紋であった。
 棚の上の髑髏
(どくろ)とモデルの足元に落下する花びらとに、西洋の伝統にあるヴァニタス(虚栄、生命のはかなさ)の寓意が指摘され、外光を意識した描写とともに、当時の白馬会の画風を端的に示す湯浅の代表作の1点である。


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