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本県ゆかりの作家たち

鶴岡政男 TSURUOKA Masao,1907-79
《夜の群像》
Night Figures

1949(昭和24)
油彩・板
130.5×162.0cm


*画像はありません。

 戦前の作品を東京大空襲で焼失し、焼け跡の廃墟の中から歩みだした鶴岡政男は、戦後の虚脱状態と、性急な人間回復の波の間で、異常な現実感を持った作品を第13回自由美術展に発表する。この作品はNOVA美術協会時代からの画友、松本竣介の死後、そのアトリエに残されたベニヤの廃材に描かれた。
 褐色の土と、黒い海、青黒い空に塗り分けられた空間の中にうごめく、性別も定かでない肉体。頭部がなく、踏みつけ絡み合いながらもがく群像は、中央の臀部を中心にして、右側の人物から円を描くように運動感を持たせて構成されるとともに、夜空に不安定に上昇するかのような塊として表現されている。作者自身「群像で混沌とか、矛盾を描きたかった」と記しているが、戦争はここでは、皮相な時間の現象としてではなく、人間の内面的な危機と破滅の様相としてとらえられている。翌年以降、その作風は幾何学的な抽象へと新たな展開を示すが、右側の臀部にある乳首のように、鋭い風刺とともにあるユーモアは、その後も鶴岡芸術を特徴づける要素として絶えず存在し続けた。


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