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本県ゆかりの作家たち

岸浪百艸居  KISHINAMI Hyakusōkyo, 1889-1952
岸浪百艸居《露葉霜條》(右隻)

岸浪百艸居《露葉霜條》(左隻)
《露葉霜條》
Dewy Leaves, Frosted Twigs

1935(昭10)
紙本着色・六曲一双屏風
各169.3×345.6cm
  〈百の草〉を名前に持つ岸浪百艸居は、世田谷区松原町の自邸の庭に、百をはるかに凌ぐ280余種もの草々を植え、写生をしたり画想を練る暮らしをおくっていた。《露葉霜條》は、初秋から晩秋への移り変わりを、六曲一双屏風に描いたものである。  
愛らしい竜胆(りんどう)、紅葉した葉を落とし始めた山葡萄、アカゲラはそろそろ冬支度の頃なのか実を啄みに来ている。一つ一つのモティーフに深まりゆく秋の情感が、丁寧に込められている。そして、どことなく愁いを秘めた秋の陽の明るさや透明感が、細かい金の切箔で表されていて心憎い。  
百艸居は、館林出身で同郷の小室翠雲に師事した。そして南画の近代化をおし進めた翠雲のもと、四季のうつろいの中で見せる草花の表情、風や光を描き、詠った日本人の心情を表す、南画の世界を追究した。本作品には、そうした百艸居の世界が、琳派の装飾性と近代の写実との融和によって、叙情豊かに表されている。
(美術館ニュースNo.98より、一部改訂)


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