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本県ゆかりの作家たち



礒部草丘 ISOBE Sōkyū,1897-1967
《秋立つ浦》
Autumn Seashore
1936年(昭和11)
紙本着色・六曲一双屏風
各177.0×372.0cm


*画像はありません。

川合玉堂に入門した礒部草丘は、大正13年の帝展に初入選を果たしたものの、病気療養を強いられることになる。再び帝展に復帰するのは昭和3年のことで、その年には玉堂門下の画家たちと立ち上げた戊辰会の第1回展にも出品して、本格的に作画活動を再開した。戦後大きな展覧会で発表することのほとんどなかった草丘にとって、終戦までの昭和初期は、新しい表現を求めて画風を変容させ精力的に大作を描いた、もっとも充実した時期であった。  
屏風の左右で構図は連続しており、足元の崖にはりつくかのように立つ漁師小屋と、その手前に玉蜀黍と南瓜の植わる畑が描かれている。屋根や筵に菱形の形態を反復させ、棹によって縦や横に画面を分断するなど、本作品には構図上の工夫が随所にみられる。草丘がここで目指したものは、波風に揺れる海景を画面の動きと変化で表現することであろう。輪郭をほどこさずに塗って仕上げた葉群や、荒々しい波涛の表現も、動きと変化を主軸としたこの作品にはふさわしい。  
草丘は昭和10年頃までに、初期の幻想性をたたえた作風から、色鮮やかな色彩と絵具の厚塗りによる作風へと移行している。表現上のさまざまな試みが示された本作品は、この時期の草丘の代表作であり、昭和11年の第1回新文展招待展に出品された。


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